2011年06月22日
7 犬猫の生涯飼育は飼い主の責任
過去の連載記事をさかのぼって、最近の関連する話題と共にご紹介します
地球生物会議発行「全国動物行政アンケート結果報告集」によると、平成21年度に殺処分された犬は65956頭、猫は173300頭です。数値は年々下がっているとはいえ、計239256頭を1年間365日で割れば、毎日、全国で655頭の犬や猫が、人の都合で命を落としていることになります。
殺処分数をゼロに近づけるにはどうしたらいいか、専門学校でこの問題を学生たちと話し合ったこともありますが、ペットを繁殖、流通させる業界のあり方、消費者の知識や意識、影響を与えるメディアの内容、またペットを扱う法律の見直しなど、検討されるべき課題が多くあります。
この中で、動物を生命あるものとかんがみ、適正飼養を促す目的で定められた、「動物の愛護及び管理に関する法律」を、さらに機能する中身に改正しようと、6月4日に大阪でシンポジウムが開催されました。
THEペット法塾が主催し、弁護士、行政、メディア、議員、元取り扱い業者、愛護団体など、様々な立場の方が、講話やディスカッションを通して、現場でのご経験や意見を述べられました。

パネルディスカッションの様子 シンポジウム「真に動物を守る法律へ」
特に共感したのは、熊本市動物愛護センターの松崎正吉所長のお話でした。
以前は熊本の動物園の獣医師でいらっしゃったとのこと(私も動物園に勤務していたので嬉しく感じました)、動物園では怪我や病気でやむなく死んでいく動物はあっても、センターに所属になってからは、尾を振り元気な犬たちがなぜ命を絶たなければいけないかと純粋に疑問を持たれ、処分をできるだけ減らすよう、市民に強い姿勢を持って説明を続けてこられたとのことです。
そのような取り組みの中で、功を奏したのは、地域で動物愛護推進協議会を発足させたこと。そこには、取り扱い業者や愛護団体、獣医師とふだん意見が異なる人たちにメンバーとなってもらい、ブレインストーミングをしながら話し合いを続けた結果、互いに考えが重なるところを共有して、動物の愛護につながる動きを作り出してこられたというお話でした。
その1つの手段として、迷子札をつけよう100%運動と書いたカードを作成し、各店舗や動物病院などで配布しています。
法で規制する方法ももちろん、このように価値観の違う人どうしが相互に歩み寄り、皆にとって利益があり前向きに活動できるしくみづくりも、とても大切と感じました

熊本市動物愛護センター 松崎所長のご講演 会場から大きな拍手がありました
さらにメディアからは、AERAの記者で「犬を殺すのは誰か」の著者、太田匡彦氏が、情報公開を申請して行政の犬の引き取り申請書を調べ実態を検証したことをお聞きしました。明らかになりにくい部分を、詳細に取材された様子は、私自身も参考にさせて頂きたく思いました。
シンポジウムの総括として、つぎの項目が法の改正点の提案事項として確認されました。
・行政の引き取り義務の記載部分 動物の命を守る愛護法の精神と反する
・動物取り扱い業に関する部分 資格制度 乱繁殖や幼齢販売の規制など
・飼い主の適正飼養義務の明文化 などです。
今後、国で法改正の案が審議され、パブリックコメントの募集も予定されています。多くの市民の声が社会を動かす力になります。関心を持っていきたく思います
前述の資料によると、和歌山県での平成21年度の殺処分数は、犬844頭、猫2955頭で、計3799頭です。記事のデータ(20年度)より若干少ない程度です。また人口比率で割ると、国内のワースト8位に入ってしまいます。特に猫の処分数が減らないのは、不妊、去勢手術をしないで自由に外で飼う人が多いことにも起因します。愛護法改正の動きに合わせて、飼い主の適正飼養を地域で広めたいと思います。

図をクリックしてお読みください。
朝日新聞和歌山版2009年9月21日掲載
無断転載を禁止します。

地球生物会議発行「全国動物行政アンケート結果報告集」によると、平成21年度に殺処分された犬は65956頭、猫は173300頭です。数値は年々下がっているとはいえ、計239256頭を1年間365日で割れば、毎日、全国で655頭の犬や猫が、人の都合で命を落としていることになります。
殺処分数をゼロに近づけるにはどうしたらいいか、専門学校でこの問題を学生たちと話し合ったこともありますが、ペットを繁殖、流通させる業界のあり方、消費者の知識や意識、影響を与えるメディアの内容、またペットを扱う法律の見直しなど、検討されるべき課題が多くあります。
この中で、動物を生命あるものとかんがみ、適正飼養を促す目的で定められた、「動物の愛護及び管理に関する法律」を、さらに機能する中身に改正しようと、6月4日に大阪でシンポジウムが開催されました。
THEペット法塾が主催し、弁護士、行政、メディア、議員、元取り扱い業者、愛護団体など、様々な立場の方が、講話やディスカッションを通して、現場でのご経験や意見を述べられました。

パネルディスカッションの様子 シンポジウム「真に動物を守る法律へ」
特に共感したのは、熊本市動物愛護センターの松崎正吉所長のお話でした。
以前は熊本の動物園の獣医師でいらっしゃったとのこと(私も動物園に勤務していたので嬉しく感じました)、動物園では怪我や病気でやむなく死んでいく動物はあっても、センターに所属になってからは、尾を振り元気な犬たちがなぜ命を絶たなければいけないかと純粋に疑問を持たれ、処分をできるだけ減らすよう、市民に強い姿勢を持って説明を続けてこられたとのことです。
そのような取り組みの中で、功を奏したのは、地域で動物愛護推進協議会を発足させたこと。そこには、取り扱い業者や愛護団体、獣医師とふだん意見が異なる人たちにメンバーとなってもらい、ブレインストーミングをしながら話し合いを続けた結果、互いに考えが重なるところを共有して、動物の愛護につながる動きを作り出してこられたというお話でした。
その1つの手段として、迷子札をつけよう100%運動と書いたカードを作成し、各店舗や動物病院などで配布しています。
法で規制する方法ももちろん、このように価値観の違う人どうしが相互に歩み寄り、皆にとって利益があり前向きに活動できるしくみづくりも、とても大切と感じました


熊本市動物愛護センター 松崎所長のご講演 会場から大きな拍手がありました
さらにメディアからは、AERAの記者で「犬を殺すのは誰か」の著者、太田匡彦氏が、情報公開を申請して行政の犬の引き取り申請書を調べ実態を検証したことをお聞きしました。明らかになりにくい部分を、詳細に取材された様子は、私自身も参考にさせて頂きたく思いました。
シンポジウムの総括として、つぎの項目が法の改正点の提案事項として確認されました。
・行政の引き取り義務の記載部分 動物の命を守る愛護法の精神と反する
・動物取り扱い業に関する部分 資格制度 乱繁殖や幼齢販売の規制など
・飼い主の適正飼養義務の明文化 などです。
今後、国で法改正の案が審議され、パブリックコメントの募集も予定されています。多くの市民の声が社会を動かす力になります。関心を持っていきたく思います

前述の資料によると、和歌山県での平成21年度の殺処分数は、犬844頭、猫2955頭で、計3799頭です。記事のデータ(20年度)より若干少ない程度です。また人口比率で割ると、国内のワースト8位に入ってしまいます。特に猫の処分数が減らないのは、不妊、去勢手術をしないで自由に外で飼う人が多いことにも起因します。愛護法改正の動きに合わせて、飼い主の適正飼養を地域で広めたいと思います。

図をクリックしてお読みください。
朝日新聞和歌山版2009年9月21日掲載
無断転載を禁止します。